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扶養内で保育士として働く上での注意点

家計について話し合う夫婦
家族の扶養内で働きたいと考える保育士の方は多いと思いますが、いくらお得になるのか、年収はいくらまでが扶養内なのか?などわからない人も多いでしょう。そこで扶養内で保育士が働くメリットや方法、年収の壁などをご紹介します。

扶養内で保育士として働くメリット

税金の計算をするイメージ
扶養内で保育士として働いた場合にはどのようなメリットがあるのか?2つご紹介します。

税金の控除が受けられる

まず扶養内で働くと、扶養者が所得控除を受けることができます。
控除とは一定の金額を差し引くということで、所得控除は課税対象となる所得金額を減らすことができます。
例えば、所得控除で38万円控除される場合、所得38万円分にかかる税金が戻ってきます。38万円戻ってくるわけではないので、間違えないよう注意しましょう。

自分のペースで働ける

扶養内で働くということは年収を抑える必要があるので、自然と勤務時間も短くなります。
フルタイムや週5日働いていると自分の時間が作れなかったりしますが、扶養内だと時間に自由が持てるという点をメリットに感じている人も多いようです。

扶養内で働くための条件

扶養内で働くということは、配偶者や扶養親族になるということなのですが、控除対象となる配偶者と扶養親族の条件は下記のように定められています。
  1. 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
  2. 納税者と生計を一にしていること。
  3. 年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

引用:国税庁 No.1191 配偶者控除

  1. 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
  2. 納税者と生計を一にしていること。
  3. 年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

引用:国税庁 No.1180 扶養控除

また、配偶者の場合は配偶者特別控除という上記とは別の下記の条件で控除を受けられるので、併せて確認してください。
  1. 控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること。
  2. 配偶者が、次の要件全てに当てはまること。
    イ 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
    ロ 控除を受ける人と生計を一にしていること。
    ハ その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
    ニ 年間の合計所得金額が48万円超133万円以下(平成30年分から令和元年分までは38万円を超え123万円以下、平成29年分までは38万円を超え76万円未満)であること。
  3. 配偶者が、配偶者特別控除を適用していないこと。
  4. 配偶者が、給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として、源泉徴収されていないこと(配偶者が年末調整や確定申告で配偶者特別控除の適用を受けなかった場合等を除きます。)
  5. 配偶者が、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として、源泉徴収されていないこと(配偶者が年末調整や確定申告で配偶者特別控除の適用を受けなかった場合等を除きます。)。
引用:国税庁 No.1195 配偶者特別控除
 もし結婚して保育士として扶養内で働きたいという場合は、特別控除の方が働ける時間も収入も多いので各条件を確認しておきましょう。

扶養内で考えるべき年収の壁

保育士として扶養内で働くためには年収を一定額まで抑える必要があり、年収を一定額超えてしまうと扶養に入っているのに税金や社会保険などの負担が発生してしまうので、各年収の壁ではどんな費用が発生するのか確認してください。

年収100万円の壁

自治体によって条件は異なりますが、年収が100万円を超えると住民税が課せられる自治体が多いようです。

年収103万円の壁

年収が103万円を超えると自身の収入に対して所得税を負担する必要があります。また、配偶者の収入に配偶者控除が適用されなくなります。先ほど引用して紹介した通り、配偶者の所得が1,000万円以下であれば配偶者特別控除の対象となるので、103万円までに抑える必要はありません。

年収106万円の壁

年収106万円を超えると社会保険に加入しなければならない可能性があります。従業員数101人以上の企業で働く、以下のすべてを満たす人が対象になります。
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 2か月を超える雇用の見込みがある(フルタイムで働く方と同様)
  • 学生ではない
フルタイムで働く方だけでなく、一定の条件を満たすパートやアルバイトの方も社会保険の加入対象となります。令和4年(2022年)10月からは、従業員数101人以上の企業で働いているパートやアルバイトの方にも加入対象が拡大されています。

年収130万円の壁

年収130万円を超えると扶養を外れます。
まず、社会保険に加入する必要があります。社会保険の加入条件は、年収だけでなく、月収や勤務時間、勤務日数などの諸条件から加入義務の有無が判定されます。また、健康保険は住んでいる市区町村の国民健康保険または勤務先の健康保険に加入し、自ら保険料の支払いを求められます。年金も自身で支払うことになり、国民年金保険料を支払うか、パート先の厚生年金への加入をすることになります。

年収150万円の壁

年収150万円を超えると、配偶者特別控除の控除額が徐々に減っていき、201.6万円になると控除額が0円になります。
もちろん社会保険にも加入している状態なので、扶養内の恩恵を受けるのであれば130万円がお得と言えるでしょう。

扶養内で保育士として働く方法

シフト制で勤務するイメージ
最後に扶養内で保育士として働く場合の注意点をご紹介します。

扶養内であることを面接時に伝える

転職に不利になると思って面接で伏せる人もいるかもしれませんが、必ず扶養内で働きたいと伝えましょう。
時短パートの応募であっても伝えておかないと、入園後にトラブルとなってしまう可能性もあるので注意してください。
また、求人の中には扶養内OKと記載しているケースもあるので、該当する求人を積極的に選ぶと話がスムーズでしょう。

週に数回パートとして働く

保育士として扶養内で働くなら出勤日数を減らすか、1日の働く時間を短くする必要があり、出勤日数を減らして働いている保育士の方も多いです。
仮に年収130万円に抑えたいのであれば、月に10万円程度、日に8,000円稼ぐとしたら、1か月で12.5日出勤する必要があり、週3程度パートで働けばちょうど良いということになります。
週3勤務であればプライベートの時間も確保しやすいので、しっかり休みを取りたい方にとっておすすめの働き方と言えます。

時間帯を絞ってパートとして働く

1日の働く時間を減らして働いている保育士の方もいます。
仮に年収130万円に抑えたいのであれば、月に10万円程度、時給1,200円としたら、1か月で83時間働く必要があり、週5日4時間のみパートで働けばちょうど良いということになります。
時短勤務は子どもが学校に行っている間だけ働くようなこともできるので、時間を効率的に使いたい人にとっておすすめの働き方と言えるでしょう。

まとめ

扶養内で保育士として働きたいのであれば、必ず年収を意識してシフトを組むようにしましょう。
また、これから転職を考えている人は、面接時に「扶養内希望」と伝えておくことでスムーズに進むので、忘れずに伝えるようにしてください。

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ほいくis(ほいくいず)編集部

この記事を書いた人

ほいくis(ほいくいず)編集部

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